――放課後。 輝の案内で連れてきてもらった花ちゃん宅。立派な門構え。3階建ての一軒家だった。 インターホンを鳴らそうした瞬間、玄関が開いた。 「また来ます」 「いつもありがとう。ごめんなさいね」 母親らしき人に見送られて出てきた女の子。 「心ちゃん……」 彼女だった。俺達を見るなり俯いてスタスタと横切って行った。 ズキンと痛む胸。 だけど痛いのは俺だけじゃない。深呼吸して改めてインターホンを押した。