「自分の為じゃなくて人の為? どこまでいい子なの? ていうか愛斗くんは私の彼氏だよね? 心と私、どっちの味方なの!?」 ああ……そうくるわけね。いいよ。俺はもう…… 「花ちゃんだよ。だからこそ間違ったことは止めてほしいんだ。ほら、謝って」 花ちゃんの肩を抱き寄せて心ちゃんに体を向けさせた。彼女は大きな瞳から涙を零しながら顔をあげた。 「……バカじゃない。みんなして心をかばって……離してよ!」 俺の腕を振り払うと花ちゃんは走ってこの場から立ち去った。