「先生。トイレに行ってきていいですか?」 「そんなに彼女の花が心配なの? 仕方ないなぁ。行ってきなさい」 先生は呆れ顔。クラスのみんなにはクスクス笑われるし……間違ってないけど。 心配だよ……『彼女』が…… ベタな理由で教室を抜け出して二人が行きそうな場所を探した。きっと誰にも見つからない場所。 屋上、裏庭、体育館裏、……三軒目でようやく当たり。 二人は体育館裏の小さな側溝に腰掛けて話していた。なんとなく話かけられる空気じゃなくて一時、こっそり見守ることにした。