「嘘……分かっていて何で私と普通に話せるの?」 「分からない。俺には……苦しめる側の気持ちも。苦しめられても笑って一緒にいられる側の気持ちも」 分からないけど……彼女が二重も三重も傷ついて 今の出来事も輪にかけて傷つけたこと……それだけは分かる。 「……花ちゃんは自分より不幸な人を見てたら安心できるの?」 「は?」 「それならもう心ちゃんは解放してよ。俺だけで充分じゃん」 もう…… 封じ込める。自分の気持ち。 「心ちゃんには自分の気持ちは一生伝えない。だからもう止めよう」