ドキッとした。こんな表情をした彼女を見るのは初めてだったから。 屋上までやってくると俺の顔を見て口を開いた。 「……何を隠してるの?」 「え?」 「なんで美姫が絡まれること知ってたの?」 ――ああーえっと……なんてごまかせばいいのか頭の中で必死に言葉を考えていると彼女は俯いて呟いた。 「――私、みんなに言ってないことがあるの」 言ってないこと? 急に話を変えるから若干ホッとしたのも束の間…… 「私に嫌がらせをしていた人……なんとなく気付いてる」