美紅を寝かし付けた後、美綺の様子が気になって部屋に行った。



そして部屋の扉を開けようとした時―――…



「あたしね、二人目出来たんだぁ」



美綺の声が聞こえてきた。



ん?誰と話してんだ?



「うん。なんか夢みたい…」



美綺は誰かと話してるみたいだった。



俺はしばらく、美綺の会話を聞いていた。



「そうだね……うん。ありがとう」



美綺の楽しそうな声が聞こえてくる。



「拓哉は最近どう?」


え?拓哉?



拓哉って……美綺の前の彼氏だろ?



なんで美綺とそいつが話してんだ?



「……なんか気に食わねーっ」



なんかムカつく。



とっくに縁が切れてるのに、なんであんなに嬉しそうに話してんだよ。



……やっぱムカつく。



すげー気に食わねーっ。



それだけで嫉妬してる俺って、やっぱ変なのか?


「……はぁ」



あまりにも自分が情けなくて、ため息が出た。



なんでこんなんでヤキモチ妬いてんだろ、俺。



なんかめちゃめちゃ恥ずかしいじゃん。



こんな所美綺に見られたら、ぜってー笑われるよな…。



「くっそーっ」



なんかすげー情けない、俺。



ほんと独占欲が強いんだな……。



まぁ、それはやっぱり美綺が大事だからなんだと思うけど…。



美綺を独り占めしたいって思う俺は、やっぱり変なのか?



「え?彼女出来たの?じゃあ今度紹介してよぉ」



そんなことを思っている俺に対して、美綺は嬉しそうに会話をしている。



「…………」



気に食わない。すげー気に食わない。



「マジムカつく…」



なんなんだよ美綺のヤツ。



「ほんと?じゃああたしも美紅のこと連れてくね?うん、すごく可愛いよ。目なんかクリクリしててちょー可愛いの」



美綺が美紅のことを自慢げに話す。



「うん、やっぱり子どもっていいよ。子育ては大変だけど、その分いいこともあるし」