俺は美綺の側に座った。



美綺は寝息を立てて静かに眠っている。



俺は眠っている美綺の頭をそっと撫でた。



「んっ…」



美綺は目を開けると、俺を見た。



「美綺?」



俺は美綺の顔を覗き込んだ。



「流二?」



「起きたか?」



「うん」



美綺はニコッと笑った。



「やっと生まれたんだな。俺たちの子」



「うん。可愛いよね」



美綺はベッドから起き上がると、そう言って子どもを抱き上げた。



「ああ。すげー可愛い」



俺は子どもの頬を突っ突いた。



「名前、なににしよっか」



「名前かぁ…」



「うん。あっ、ちょっと待ってて」



美綺は子どもをベッドに戻すと、引き出しからノートを取り出して俺に見せた。



「なんだこれ?」



「子どもの名前が書いてあるんだよ」



美綺はノートを俺に見せてそう言った。



「ふーん」



「名前、なにがいいと思う?」



「どれどれ?」



俺はノートを見た。



そこには、名前がいくつか書いてあった。



「あたしは美結か美紅のどっちかがいいと思うんだよね」



美綺は子どもを抱き上げると、ニコッと笑いそう言った。



「いいんじゃね?俺はどっちかと言えば美紅の方がいいかな」



俺はそう言うと、子どもの手を握った。



「やっぱり流二もそう思う?」



「ああ。なんかそんな感じがする」



「あたしも、なんか美紅の方が可愛いからいいと思う」



美綺はそう言って満面の笑みを浮かべた。



「よし、じゃあ美紅に決定だな」



「うん」



俺たちは満面の笑みを浮かべた。



「よし、今日からお前の名前は美紅だぞ?」



俺はそう言って美紅の頭を撫でた。



「よろしくね。美紅」



美綺は笑顔でそう言った



それに答えるように美紅はニコニコと笑っている