あたしのことも、ちゃんと応援してくれてる。



そこが高杉先生のいい所かも。



「茉衣、早く体育館行こっ!!」



「うん」



そして急いで体育館へと向かった。



「はぁ……はぁ……つ、疲れた」



廊下を走ったために、息切れしてる。



もっともあたしの場合は、妊娠してるからあんまり走れなかったけど。



「お前ら遅いぞ!!3分遅刻だ!!」



ゲッ!!



そこに、学年主任の斉藤先生が現れた。



「でもまだ始まってないじゃん!!」



茉衣がすかさず反論に出る。



「始まってなくても遅刻は遅刻だ」



この先生……時間にはめちゃめちゃうるさいんだよね…。



「遅刻だってたかが3分でしょ!?」



茉衣の口調も段々と荒々しくなる。



啓悟君に聞いた話だと、茉衣は斉藤先生が一番嫌いらしい。



だからいつも斉藤先生を目の前にすると、攻撃的になる癖があるらしい。



「3分でも遅刻だ!!」



斉藤先生、そんなにムキにならなくても!!



「あーもう!!遅刻遅刻ってうるさいなぁ!!」



茉衣!!先生に向かってその口の聞き方はないんじゃない!?



「なんだと?!教師に向かってなんだその口の聞き方は!!」



ああ……斉藤先生完全に怒っちゃったよ。



「茉衣!!もうやめなって!!」



「美綺は黙ってて!!」



「森村は少し黙ってなさい!!」



先生と茉衣の声がキレーにハモった。



……二人とも怖いです。



しかしこの二人が争っていても、他の生徒は誰一人気付いていないという虚しさ。



これじゃいつまで経ったって始業式始まらないよ…。



ねー先生もなんとかしようよ…。



生徒と先生が言い争ってるんだよ?



普通は気付くでしょ!!



てか、気付かない方がおかしいって!!誰か止めようよ!!



そして焦っているあたしの隣りでは……。



「塚原ーっ!!いい加減にせんか!!」