「あたし……後一年したら、ママになるんだね」


美綺がふと呟いた。



「……そうだな」



「なんか……実感ないかも」



美綺が苦笑いしながらそう言った。



「俺も。……俺も子供が産まれたら、パパになるんだもんな」



俺はそう言って頭を掻いた。



「そうだね」



「美綺がママって……なんか想像出来ねーな」



「あたしだって……流二がパパになるなんて想像出来ないよ」



美綺が笑いながら言った


「……確かに」



俺がパパって……なんか響き悪いな。



つーか男だったら……将来俺に似て、カッコいいかもしれないな。



って……どういう想像してんだよ俺。



「生まれた子が男の子だったら……性格も流二に似て俺様になるのかな」


「美綺……お前なんてこと言うんだよ」



「分かんないけど……将来、性格とか似てそうじゃん」



美綺が苦笑いしながらそう言った。



「……そうか?」



「うん。まぁ、産まれたのが男の子だったらの話しだけどさ」



美綺がそう言ってニヤッと笑った。



「…………」



美綺……なんだよその怪しい笑いは。



「女だったら、美綺に似て可愛いのかもなーっ」


「さぁ?どうだろうね。でも似てるといいなぁ」


「…………」



ダメだ。……返す言葉が見つからない。



「ねー流二ー?」



「…………」



「ちょっと!黙ってないでなんか言ってよ!!」


美綺がそう言って頬を膨らませた。



「……お前、顔赤いぞ」


「……りゅ、流二のバカッ!////」



美綺はそう言ってベッドに座った。



「はぁ?俺はなんもしてねーよ」



「……うっ」



すると、美綺が眉間に皺を寄せて辛そうな顔をした。



そして部屋を勢いよく飛び出した。



俺は美綺の後を追った。


そして洗面台に駆け込んだ。



……なんだなんだ?