家に帰った俺は、部屋に行って服を着替えた。



そしてベッドに思いっきり沈んだ。



「ふう……疲れた」



俺は小さく呟くと、枕に顔を埋めた。



しかし、今日の美綺はマジで怖かったな…。



なんだ?……あの迫力。


マジ有り得ねー……今の美綺からはー全然想像出来ねーんだけど。



怒鳴られた時は、マジビビった。



あんなに怒られたの、初めてだ…。



心臓飛び出るかと思った。……本気で。



改めて思うけど、女って怖いな。



特に、美綺は怖かった。


そんなことを考えていたら、部屋のドアが開く音がした。



ガチャッ



「流二、入るねーっ」



美綺が部屋に入ってきた


そして俺の所に駆け寄ってくると、ベッドの上に座った。



「どうした?」



「ん?……ただ、流二と一緒に居たいだけ」



美綺はそう言うと、俺の隣りに横になった。



―――ドキッ



その勢いで、俺の心臓がバクバク言い出した。



「…………」



俺は美綺と反対方向を向いて、なんとか心を落ち着かせようと試みた。



けど、余計に心臓の音がでかくなった。



ドキドキ。……ドキドキ


心臓の音が鳴り止まない


くそっ……ドキドキが止まらねーっ。



どうしたらいい。……俺


このままじゃマジで心臓持たねーって。



……理性、切れるかも。


つーか、なんで制服なんだよ。……服くらい着替えろよ。



「……なぁ美綺」



「スーッ……スーッ」



……あれ?返事がない。


まさか……無視?



俺はもう一度美綺の名前を呼んだ。



「おーい。美綺?」



「スーッ……スーッ」



それでもやっぱり、返事がない。



そして、聞こえてくるのは美綺の寝息だった。



俺は美綺の顔をそっと覗き込んだ。



……あっ、寝てる。



美綺は寝息を立てて静かに眠っていた。