やっぱり流二に見つめられているせいで、目が反らせなくなった。



「…………」



あたし思わず流二から目を反らして下を向いた。


このまま流二に見つめられてたら、あたし完全にアウトだから。



「……美綺?」



「え?」



あたしは顔を上げた。



その瞬間、流二の顔がゆっくり近付いてきた。



そして、ふいに唇が重なった。



あたしは目を瞑った。



流二はあたしにキスをすると、また窓の方を向いた。



あたしは恥ずかしくなって下を向いた。



あたし今、絶対顔赤い。


あたしは両手で自分の頬を包んだ。



……熱い。



温かいってことは、顔が赤いって証拠なのかな?


いつからだろう。……流二をこんなに好きになったのは。



最初は大っ嫌いだった。


本当に大っ嫌いだった。


入学して早々流二の彼女になって……しかも、今日から俺と一緒に住むからなんて言われて、渋々同棲させられて。



本当にサイアクだと思った。



……おまけに唇まで奪われて。



こんなにサイアクなことはないと思った。



でも、気が付けばこんなにも流二を好きになっていて……いつしか離れたくないと思うようになって、離したくないって心の底から思うようになった。



"ずっと側に居たい"



今はこれだけを思うの。


大好きだから……離れたくないから、離して欲しくないから―――



って、最近毎日思うようになった。



どんなに傷付いても……どんなに辛くても……傷つく覚悟なら、もう出来てる。



だから流二と一緒なら、どんなに辛くても、どんなに傷付いても……頑張れる気がするんだ。



今まで本当にたくさん傷ついたし、辛い思いだって数え切れないくらいしてきた。



でも、どんなに辛くても一生懸命頑張ってきた。


自分から逃げたくなくて、必死で自分を変えようと頑張ってきた。



それで自分を変えられたかは分からないけど……変わっていたらいいなぁって思った。