【完】イケメン生徒会長は俺様!?

俺は……見てしまった。


美綺ちゃんが……知らない男の胸の中で、泣いている所を。



美綺ちゃんは思いっきり声を上げて泣いていた。


多分、先輩たちのことだろうと思う。



でも……あの男誰だよ。見たことねー。


しかも背中擦ってるし。


俺はこの前、流二にこう言われた。



「今……美綺は先輩たちにイロイロヒドいことされてるから、俺の変わりにアイツを……美綺を守ってやって欲しいんだ。本当は俺が守ってやりてーんだけど……俺は生徒会長だから、まだやらなきゃいけねーことがたくさん残ってるんだよ。だから、あんまりアイツの側に居てやれねーんだ。……だから、俺の変わりに美綺を守ってやって欲しいんだ。頼むよ。もう、お前しか頼めるヤツが居ねーんだよ」



アイツは涙目になりながら俺にそう訴えてきた。


俺はそんなアイツを見ていたら、ほっとけなくなって引き受けた。



アイツは本当に嬉しそうな顔をして、俺に何度も頭を下げた。



その顔は安心しているのか……表情が和らいでいた。



本当に好きなんだな、美綺ちゃんのこと。……大事なんだな。



流二を見ていたら、なんかそう思った。



今まで、本気で人を好きになったことがなかったアイツが……今、本気で美綺ちゃんを好きになってる。



それだけで安心した。



だから、アイツの頼みを引き受けた。



大事な美綺ちゃんを傷つけたくはないから、俺の彼女の茉衣にも頼んだ。


すると茉衣もすんなりOKしてくれた。



茉衣は美綺ちゃんの友達だから、誰よりも美綺ちゃんを心配していた。



だから引き受けてくれたんだと思う。



でも……この光景を目の当たりにした俺は、どうしたらいいのか分からなくて、その場に立ち尽くしていた。



……二人から、目が離せなかった。



どうしたらいいんだよ。……この状況。



今、美綺ちゃんの側に居るのは流二じゃなくて、見知らぬ男。



しかも、美綺ちゃんはその男の腕の中で泣いている。



こんな場面見たら、どうしたらいいか分かんねーよ。