Hand in Hand


「あの、俺の顔なんかついてます?」

「え、あっいや違くて…。」


自分の顔がどんどん赤くなってくのを感じた。

「その、ドア!ありがとうございました。」

私は一礼した。

「あぁ、いや。別に…。」

間宮君は小さく言って、私から本へ視線を戻した。


あ、終わりか。

そうだよね、別に知り合いなわけじゃないし。

私も間宮君から視線をそらし下を向いた。



ここで話とかできればいいのにな。

てか、もうメアドとか聞いちゃう?
いや無理か。大胆すぎる。


でも絶対ここで何かしないとこのまま一生無理な気がする!

やっぱ話しかけよう!


「ねぇ。」

「えっ?」

「ここで降りるんじゃないの?」


間宮君はそう言って開いたドアを指差した。