ケータイのディスプレイとにらめっこ。 その時… 「もしもし、綺羅?」 「・・・・・・」 なんの返事もない。 もう一回呼んでみた。 またなにもない。 ケータイのディスプレイを確認する。 綺羅に間違いない。 「綺羅?大丈夫?」 ケータイを耳に強く押しつけて、様子をうかがう。 「…っ……ぅ……麻…那…」 「綺羅?泣いてるの?ちょっと待ってて。」 ケータイをつないだまま、自転車にまたがった。 泣いてる綺羅がいる場所は…あそこしかない。 あたしは急いだ。