それから2日後。
俺は、
例のナースステーションに、
白衣を着て居た。

まぁ、
やることなんか分からんくて、
手持無沙汰で、
立ってるだけなんだが。

あぁ、
やばい。
マジ緊張する。

そうこうしてるうちに、
こないだのおっきなおばちゃんが現れた。
確か、
夜勤明けだったような気がする。

そのおばちゃんが、
俺の方に、
無表情で、
しかも、
ものすごい勢いで突進してきた。

ちょ、
待て!
俺まだ何にもしてねえよな!
しょっぱなから何かしたか?

いやいや。
してねえ!

刹那の葛藤。
その次の瞬間。

脳に強い衝撃が走った。


…・・あ?

「ごめんね~~~!」

…・・は?
なんのこっちゃ。
少しの間、
状況が理解できなかった。

俺、
おばちゃんに抱きつかれてる?
朝のナースステーションで、
熱い抱擁。

「昨日、間違っちゃった。
見てたんでしょう!?」

あ、あぁ・・・。
あれね。

「見えてました…。」

「だって分かんなかったんだも~ん。」

すっぴんだったし。
髪、バッサリ言ったからな。
しかもあの服だしな。


でも決まった。
俺このキャラで行こう。

ありのままの、
おれで。


それからしばらくたって、
そのおばちゃんが、
椛田(ハナダ)さんだって知るんだけどね。