現在、7月30日。
明日は、
とうとう作戦実行日。
今日は午前中で仕事を切り上げ、
原宿のマックで、
鶴と最終会議の真っ最中。

「それじゃ、
明日結構ね。」

あまりにも仕事がない鶴に、
パチ屋のコーヒーサービスの仕事を紹介した。
今二人ともその帰り。
現場は別々だけどね。

何の会議かって、
明日は洋ちゃん22歳の誕生日。

溯ること1か月前。
作戦を立て始めた。

そのくらいから、
洋ちゃんの地元の友達や、
元同僚たちを呼んで、
総勢11名集まった。

洋ちゃんにはすべて内緒。

料理は俺が作るし、
ケーキは予約した。
問題は…。

「プレゼントどうするよ。」

二人して金がない。
仕事を始めたばかりの鶴は、
給料日は来月。
珈琲の仕事は、月締めだから。

さてどうしよう。

「洋ちゃんラバソ欲しいって言ってたよ。」

「死ね…。」

洋ちゃんが欲しい、
ブランドのラバーソウルは、
4万とかする。
んな金あるか。

「ジャケットは?
あの豹柄のジャケット欲しいって言ってたじゃん?」

同じブランドのジャケット。
これも高い。
しかし、ただいま半額セール中。

半額セールは内緒にして、
プレゼントしようとした。

「半額。
昨日までなんですよ。」