同じ時に、
洋ちゃんも病院を辞めた。
奴は「バンドやるんで!」と、
円満に辞めたらしい。
そして、
仕事が決まったらしい。
マンションの清掃業。
鶴の方は、未だに…。
俺は、
探すしかなかった。
とりあえずこの、
日給1万円の、
事務所がここから近い、
警備員のバイト。
職種はいっぱいあったけど、
自給800円のコンビニとか、
本屋じゃ、
生活できない。
そして何より、日払い。
別におっさんにまみれようが、
どうでもいい。
とりあえず面接に行った。
面接官が、
笑える。
面白い顔した、
お笑いの芸人にそっくりだ。
「いつから働ける?」
面接じゃなかった。
もう、働けるらしい。
明日から、
3日間研修の予定。
研修中も給料が出る。
が、甘くはなかった。
翌日、
事務所に行って、
警備服を着ようとしたら、
男しかいない。
最悪だ。
男の恰好してても、
着替えを見られるのはちょっと。
トイレで着替えて出てきた。
そして、
何か契約書みたいな、
プリントを渡された。
「これ保険料ね。
後物品代。
明日徴収しますから持ってきて。」
内容は分かったが、
金額がおかしい。
保険料10万円。
物品も安全靴だけで、
他は貸出なのに、
5万って?
しめて、
確か15万くらいだったような気がする。
俺金ないのに、
こんなに払えないよ。

