それが、
ネットの世界。
最初は、
チャットで、似たような話をしてた。
それでもよかった。
みんな慰めてくれた。
励ましてくれた。
少し、
ほっくりした。
顔も知らない相手。
それでもよかった。
そのチャットの中では、
みんなお友達。
正しく言えば、
友達ごっこ。
それでも現実は変わらなくて。
毎日繰り返すだけ。
だんだんと、
周囲がいなくなっていった。
「うん。
分った。
袋の…そ、駅前で。」
とうとう、
出会い系に手を出した。
メールでやり取りしてるうちに嗅覚が、
育ったのか、
変質者とまあ、
いい感じの人を嗅ぎ分けられるようになった。
おかげさまで、
よく自分好みの顔に当たる。
というか、
写メ遅らして自分好みにしか行かない。
1日限りの、
恋愛ごっこの。
それが終わったら、
サブアド変えて、
はいさよなら。
そう。
私の去年の思い出なんてこのくらい。
年を重ねるごとに。
何もなくなっていった。
夢とか、
希望とか。
ここに出てきたばかりのあの荷物。
胸一杯に、
希望と夢と、
好奇心。
情熱。
たくさん荷物を持ってきたのに。
今はすべて、
燃えるごみに捨ててしまった。
そう。
ただ日々を消化するだけの大人になった。
時間とお金に悩んで。

