「椛ちゃん。
俺消えたいんだけど。」
「ん?」
「休みくれ。
来月でいいから。」
どうした?
って聞かれて、
ちょっと話した。
「みんなに何にも言わないで消えるの?
洋ちゃんたちにも?」
「うん。」
「しゃねえな。
今すぐ休みできるように、
調整してやる。」
「いいよ来月で。」
「来月になったら、
気が変わるべ。」
その翌日。
計画もないまま、
電車に乗った。
ついた先は京都。
スケッチブックと、
色鉛筆。
適当な服だけ持って。
でも、
目の前のうどんやで、
飯食ってそのまま東京に帰ってきた。
何考えてたかよく覚えとらん。
とんぼ帰りのランチ。
往復で6万くらいかかったかな。
随分高いランチだ。
とにかくいらいらしてた。
けど。
おさまった。
さぁ。
ポーカーを。
始めよう。
俺の得意だ。
俺はうそつき。
うそつきだ。
うん。
前世は詐欺師。
straight flashとは行かないものの、
フルハウスで、
ペイしたい。
腹はとっくに決まったんだろ。

