今年も夏がやってきた



ミーン
ミーン
ミーン


我一番とこぞって蝉達が鳴く




アタシは 築何十年にもなりそうな ボロいアパートにいる


もう何日も上げていない布団の上に寝転がって 煙草をふかす




ボサボサの汗まみれの長い髪をかき上げながら 煙草をふかす




「なんか 飲む?」


汗だくになった 細いとは決して言えない身体を 露にした男は アタシを見ることもせず そう言った



「じゃあ、ブランデーの水割り」




男は何の違和感もなく 水割りを作りアタシに差し出した



「未成年で 昼からブランデーってヤバくねぇ?」



「その未成年を抱くあんたは もっとヤバくねぇ?」

同じ口調で返してやった