昼とはうってかわって、夜の広場には人はほとんどいなかった。



今日は城でパーティーがあるらしく、広場の周りに連なる多くの店は早めに店を閉めたのだ。



普通の暗殺者なら人が大勢集まるパーティーで仕事したりしないだろう。しかし、ナンバーズならそんなことは関係ない。



人が何人いようと関係ない。それだけの実力を持った者だけに与えられた名前なのだ。



「そろそろ時間です。お支度を」



組織の人間である黒ずくめの男がレイに告げる。



それまでジッとまぶたを伏せていたレイが、ゆっくりと瞼を開ける。



「…いくか」