…ピチャン,ピチャン。



天井から滴る水滴が地面を湿らせる。



地下深くにあるため,そこは常に湿気が多く真っ暗である。



レイが捕まってから一週間がたとうとしていた。



両手首に鎖がはめられ,上から吊された状態で捕まったままのレイはこの一週間何も口にしていない。



ただ毎日,牢に開けられた小さな窓から太陽と月を眺めていた。



見張りの兵士が牢に近づき,レイの様子を確認するとまたすぐに地上へ戻って行く。



この地下でレイはたった一人時をすごしていた。



今日もまた,コツコツと足音がする。



もうそんな時間かとレイが思っていると,そこに来たのはあまりにも意外な人物だった。



「まだ生きているんですね」



そこにいたのはシーラだった。



「わかったでしょう。あなたの居場所なんてここにはないんです。

あなたが生きる道はダークネスの中だけ」



シーラはそっとレイの頬に触れた。



シーラの手の上を涙が伝う。それはあまりにも悲しく、あまりにも冷たかった。