「ねぇ…」



ティファにギャーギャー言われているのを無視し,エナは話の標的をレイに向けた。



「あなた…どうして私達と一緒にここで食べてるの?」



エナのその質問にその場にいたティファとリリーナは驚いた。



そんなふたりの様子も気にとめず,エナは続けた。



「どこの誰かは知らないけど,あなたも異世界の人間でしょ?あなたはきっと私の変わりでここにきたのよ。だからもう必要ないわ」



あまりのエナの言い方にリリーナが口を挟もうと立ち上がった時,



「私は…」



突然レイが口を開いた。同時にその場は沈み帰り全員がレイの言葉に耳を傾けた。



「私は…私は自分の意志でここにいるんです。エナさんは,何を…そんなに怖がってるんですか?」


レイの哀れむような目とその言葉が,エナの気持ちを刺激してしまった。エナは持っていたコップの水をおもいっきりレイにかけたのだ。



あまりにも激しいエナの行動に周りの人間は沈まりかえってしまった。



「何が怖がってるよ!!あんたこそ,そんなんでディアスに色目使っても無駄よ。ディアスはあたしの恋人なんだから!!」



そう言い捨てると,エナは足早に食堂を後にした。