エナが帰ってきたという知らせは瞬く間に城中に広がった。
それはもちろんレイの元へも。
「エナって確か…」
レイの中になにかもやもやしたものが生まれたのがレイにもわかった。
それが何なのか。それは初めてエナに会った時にしっかりと自覚できた。
「みなさん、お久しぶりですッ」
すぐさま大広間に城中の人間が集められエナの歓迎会が行われた。
みんなに笑顔でそう挨拶するエナを見ていると胸が締め付けられるようだった。
この気持ちは…嫉妬。
ディアスの恋人であるエナに。そして…
「なんだかエナ様が戻ってこられてやっといつものサレスに戻った気がしますッ」
「やはりエナ様がいてのみなさんですね」
エナの周りにはディアスだけでなく,リリーナ,ロイ,クライブ,ティファがいた。
レイは,自分の居場所すら失った気がした。


