キーンッ
レイの剣が宙をまい地面に突き刺さる。
ふたりはいつも通り鍛錬場で剣を交えていた。
いつもなら,ふたりの力はほぼ互角であるため決着がつく事はほとんどない。
しかし今回は違った。
「おいッ!!大丈夫かッ!?」
ロイが慌ててレイに近づいてくる。
「大丈夫。ちょっとぼーっとしてただけ」
弾かれた剣を拾いながらレイが答えた。
「…最近お前なにやっても上の空って感じじゃねぇか?なんか悩み事でもあんのか?」
レイの顔を下からのぞき込むようにしてロイが尋ねた。
鍛錬中だけではない。食事中やふとした瞬間,レイはよく考え事をしているようだった。
ロイはそんなレイが気になっていた。