―――― サレスの城の城門の前。 風が頬にあたる。漆黒の服が空の闇にとけていく。 短刀を握りしめ,少女はいた。 やはり自分が生きる道はここしかない…そう自分に言い聞かせるようにじっと目を閉じた。 「…いくか」 開いた目は一点を見つめていた。 標的はジルバ。殺すのは標的のみ。 ビュッ 突然風がふいた,と同時にレイは行く。 「ッ、何者だ…」 ヒュッ 一瞬のうちに門番を気絶させ一気に城に向かって跳ね橋をかけていく。 その時,目の前に見たことのある人影が現れる。