そこにいたのはディアスだった。



「そこで何をしている。ここは城の人間以外立ち入り禁止のはずだが…」



突然声をかけられた事にも驚いたが,それ以上にディアスの容姿に見入ってしまった。



すらっとした背丈に少し長めの金色の髪。キリッとした目にその容姿に合った甘い声。



レイは純粋に見とれた。



「っ…おい!!」



聞いているのかいないのかわからないレイに苛立ちを覚え,ディアスが近づいていく。



とっさにレイは頭からスッポリかぶっていたショールを深くまき直すと目をそらすように横を向いた。



「…道に迷ってしまって。それであまりに庭が綺麗だから,つい…」