黒服の人物は距離をとるように一端後ろへ引くと再び短刀を構え直した。 同時にディアスも剣を構え直す。 その時。 「ジルバ様を守れっ!!」 城で働く兵や使用人、しまいには民衆までもが国王ジルバを守るように黒服の人物の前に立ちはだかった。 その瞬間、黒服の人物は再び窓ガラスを蹴破って外へ逃げていった。 「見ろ!!怖じ気づいて逃げやがった」 「ジルバ様を守ったぞ」 兵士や民は国王の無事に興奮し、口々にこう叫んでいた。