美少女戦士 イグニス・ドラグーン・ユイ!

 よもやの反骨に父親は、相手が5歳の少女という事すら忘れ、すっかり動転していました。
 彼はまるで虐められっ子の口ぶりで、少女にこつこつと理屈を述べ始めていました。
 「育ててやってるのは誰だ」とか……
 「誰の家だと思ってる」とか……。
 

 「………いや、違うだろうが」
 暫しの迷走のあと、男は苦笑しました。気付いたのです。
 なぜ自分が怯む必要があるのか、と。

 彼は手近にあった酒瓶を手を伸ばしました。そして――
 「逆だろが」と叫ぶとそれを振り上げました…!


 ―――……
 ……………

 「なるほど、【怒れ、世界を】……か」
―と、ユイを現実に引き戻したのは竜一でした。
 「辛かったろうねぇ…」
 

 
 「…っ…! はぁ…はぁ……ぅっ…!!」

 ユイは息を切らしていました。
 9年の時を経て、投薬と精神治療によって埋葬された記憶を、まるで昨日の出来事にように追体験させられたからです。
 

 「感情をトレースすればするほど、ユイちゃん、君が惨めで可哀相で、愛おしくて…堪らない」
 竜一の救済は最終の段階に来ていたのです。
 「さぁ、おいで。ユイちゃん。君の望みどおりだよ。さぁ、この世界を抜け出そう!」