美少女戦士 イグニス・ドラグーン・ユイ!

――まず認めよう、人の悪意を――
 竜一はまるで預言者のように言うのです。


 「思い出しただろう? 君は“虐待されていた”」

 『雷竜もどき』の咆哮の中から、ユイは“自分を取巻いていた悪意”と、自らの内から生まれた悪意を見つけ出していました。

― ……やめて ―

 その日も、父親はユイを殴っていました。

 
――もうしない! もうしないから!!――
 いえ、彼女が悪いわけではないのです。

――ごめんなさい!――

 ただ父親は虫の居所が悪いだけ…。

―― ……やめて ―
 
―― …やだよ…… ―
 

 少女は、そのとき、ほとんどの虐待された子供がそうするように、感情の源を徐々に殺していったのです。

 これは自分ではない誰かだ、と。


 ……けれど、少女はそれで終わりませんでした。


 心の電源をOFFにしようと、頭が感情のスイッチを指にしたとき、“それ”は彼女の前に転がっていたのです。


 “目の前に転がるそれ”を見たとき、彼女を支配したのは……『憎悪』…!