美少女戦士 イグニス・ドラグーン・ユイ!

 「『正義』って感情は…砕かれたんだろ?」と、Lは言いました。


 確かに、序盤戦において、圧倒的な力を持つ『ドラグーン・オブ・ザ・ライトニング』(竜一)に対し『ドラグーン・オブ・ザ・サン』(ユイ)を優位へと押し上げていたのは、『正義』という感情だったのでしょう。

 しかし……
 

 「あぁ、南の言う通りだった。 ドラグーンの力、それに『正義』なんてなかった…」


 「けれど、それが…ユイちゃんを支えていた唯一の感情だった…」


 「じゃあ…! もう……」


――じゃあ…! もう……
  どうにもならない――



 「ユイちゃん、“聞える”だろ?」と、南。彼は先ほどと変わりなく、唇の前で両掌を握り合わせ、祈祷の姿勢を続けていました。それでも目は見開かれ、それは“救済”を待つ最後の少女を捉えて放しません。

 「まず認めよう…人の悪意を」

 
 ユイは凛然と、しかし弱々しく立ちすくし、竜一にされるがまま抗いも無しに、“その晩”の記憶を映写されるのでした。

 美奈子と同じ――
 その晩、つまり、能力に目覚めた夜。