美少女戦士 イグニス・ドラグーン・ユイ!

 ― 何故? ―

  足りないのです。

  
 ― 何が? ―

  それは……!!!



 「それは…『正義』…? いや違うね」
 と、我々の疑問を一蹴したのは竜一でした。


 ― !! ―
 正義ではない――!?


 「ユイちゃん、君は分かっただろ?」

 竜一の弾劾の牙は、次にユイへと向けられました。

 「君が『正義』だと信じてたのは、ただの幻想だったって」


 「幻想…?」

 その竜一の問いかけを反芻したのはユイではなく、第二の当事者である、美幸さんでした。

 EPD能力者予備軍であった彼女は、竜一に感情を搾取される事無く、一万の人間(の抜け殻)が横たわる渋谷駅構内で途方に暮れていたのです。

 
 「こんな事をするアナタに…」
 美幸さんは人の海原に立ち上がります。足元には睡眠と死の中間を彷徨う友人達の抜け殻がありました。

 「アナタに抗おうという気持ちが『正義』でなくてなんなんですか…!?」

 
 美幸さんは無為に溢れ出す涙を拭う事はありませんでした。
 彼女もまたこのとき、『怒り』と『悲しみ』と『憎しみ』に駆られていたのです。