美少女戦士 イグニス・ドラグーン・ユイ!

 「ムチャだ!!」
 当たり前の事しか言えない自分に嫌気を憶えつつ、課長は言いました。
 「すぐに消えちまうぞ!」
 

 その通り。
 薄暮時の日差しのように、急速に衰えゆく竜の肢体……。



 「……どんな世界が?」
 Lの言葉がその場の全員を、客観へと連れ出しました。

 「あのコウモリどもが、今の…つまり今の生まれたばかりの戸惑いから、醒めたとき、どんな世界が待ってんだ?」


 確かに、と誰もがそう絶望せざるを得ませんでした。

 と、その刹那――


 「まさか…!」
 と言った裕は眼球の表面を中指で撫でました。
 『EPD能力視認用コンタクトレンズ』を外そうというのです。


 「やはり…まずいぞ…!」
 彼の額に冷や汗が滴ります。
「見える。竜が肉眼で見える…! 定義化されてやがる」
 
 ―― !! ――


 これは有史以来、最大の事件になるかもしれません。

 能力者、あるいは視認用のコンタクト・レンズ無しには存在を定義化できないはずの『竜』が見えるというのです。


 「『竜』が…蘇る……!?」

 「いや、“悪意だけで定義された新種”だ…」

 「まさか!? この瞬間、新たな種が生まれようとしているというの…?」


 「いや種ではない。喜びを持たない生命、もはやそれは神か悪魔でしかない」