美少女戦士 イグニス・ドラグーン・ユイ!

 「『フォートレス・オブ・ヘィデ……!! どっ、どうしたの!?」
 美奈子は気付きました。
 彼女が『冥王の城塞』を念じたそのとき、自身と従者である『闇竜』の間に、何かが侵入してきていた事を……!


 絶望…?

 それは感情のゼロ。
 “万物が感情連鎖の理の解として与えられている”ならば――
その階段の5104800段に位置する竜は、その下段の5104799段に位置する人間の感情無しには定義を失うのです…!

 絶望……!
 感情を持たぬその状態では、『闇竜』は動けぬのです…!


 結果として――
 飛来する雷竜もどきの鉤爪を、受け止めたのは『冥王の城塞』ではなく――


 「うぐ…ぐぐぐッ…!!」
 美奈子の生身でした。

 『ドラグーン・ドレス』にその身を守られてるとはいえ、しかしです。

 「それでも冥王なの!?」

 美奈子は

――本来は同化するオーラ的なものであるはずなのですが――
 分離して背後に立ちすくしている『闇竜』を叱責します。

 「ワタシは諦めてなんかないわよ! 絶望なんかしてないわよ!」


 「だからあなたも闘って! 闘いなさ―― 


 【…いや。 違う】
 【そうではない】
 『闇竜』は、低く、そう返答しました。