美少女戦士 イグニス・ドラグーン・ユイ!

 「先輩は?」
 とユイが訊ねたのと同時に――

 
 「南は? 南竜一はやったのか!?」と課長は声を大に訊ねました。


 「こ、ここからでは……」
 Lは汗で湿った手で双眼鏡に齧り付いています。
 「あの穴(クレーター)には…… いや…!!」


 23歳という、男盛りの怖いもの無しの年齢であるLは、そのとき本気で少年の姿に恐怖しました。少年の狂気にと言った方がいいかもしれません。
 

 どれほどの邪悪を知覚すれば、あれほどの力を得られる、いえ、得てしまうというのでしょうか。
 彼はきっと、虐げられた全ての人間の代弁者なのでしょう。
 アナタが誰かの悪意によって貶められたのなら、アナタには誰かを恨む権利があるように、彼には世界中の人間を恨む権利があるというのでしょう。

 だからこそ少年は、そんな力を有していたのです。

 Lは報告します。
 「いや……『ライトニング』は…健在!!」
 そして目の当たりにした少年の力に、震えを禁じ得なかったのです。