美少女戦士 イグニス・ドラグーン・ユイ!

 【アナタ達を暗闇へ追い詰める元凶は、アナタ達の少しずつの無思慮だというのに!】

 美奈子のその“悪しき想い”は『闇竜』に投影されます。

 【なのに、自分達が汚した世界と… 一人の女の子を戦わせて…ッ!!】


 しかしそれに対しユイは、屈託なく笑って答えました。
 「アハハッ! 違うよ、美奈子さん」
 そして彼女は、不思議な事ですが、まるで母親が子供を諭すように美奈子に言いました。
 「そんな立派な人間は嘘よ」

 「え!?」


 「私は…。私が“間違えてた”の」
 そしてユイは、今度は穏やかに微笑みました。
 「一瞬…。さっき一瞬ね、私も『世界を救う』なんて考えた…。 けれど、それはただのナルシーってヤツで…。アハハ」
 そう言ってユイは頭を掻きました。恥ずかしいときにする彼女のクセです。


 美奈子は無言で次の言葉を待ちました。


 「……世界なんか知らない。 助けたいのは… 助けたいのは誰でもない… 助けたいのは先輩なの…!」


 「――!!」
 こんなに傷つけられてもまだ――!?

 その強い真摯の言葉を前に息を呑む美奈子がいました。


 「だからお願い美奈子さん…! 私に命を預けて!」
 そう言ってユイは、美奈子の手を強く握ったのでした。