美少女戦士 イグニス・ドラグーン・ユイ!

 「状況は!?」


 「ダメです! パワー負けはしていません!いえ、右手一本ですが…! し、しかし――」
 と、Lが言うのに被さって…

 「捕らえられないんだ! 竜の翼がやられてる!」
 と、課長は鉄柵を叩きました。
 
 「やられてるですって!? なにが――」 
 裕がそう叫んだ瞬間!

 ユイの決死の攻撃が回避されると、すかさず竜一の“Y軸ソバット”が決まってしまったのでした!
 上から下へ、足の裏で叩けつけるようにです!


――!!
 一同の時間が、一瞬間、静止しました。


 そして再び時が流れ出すと、少女の身体は、重力にそのキックの加速が加わって、真っ逆さまに落ちていきます…! 


しかも――
 「『炎竜』が消えてる!!?」
 と、Qが気付いたのです。
 

 その一言に、再び、ここに会した全ての人間の時間が凍り付きました。このままでは少女の身体はコンクリートに叩き付けられてしまいます…!
 

―― 蘇れ! ――
 凍りついた時間は、銘々の、こんな想いによって砕かれました。


 ある者は拳を強く握り…
 ある者は両手を額の前で組んで……

 竜は邪悪なる存在だったはずです。
 それが、この場にいる人々は祈りました。落下の直撃までに“『炎竜』の蘇生”を祈ったのです――!