人間の真の力、それは『感情を現実に投影する力』だろうと思える。

 「大好きな人の支えで頑張れる」
 「悔しさを成功の力にする」
 「心の傷に耐えられず自殺する」

 そうだ。
 人は誰しも『感情から現実世界へ働きかけをする力』を持っている。


 「感情→現実世界」……この方程式は、動物には当てはまらない。もちろん先に述べたように動物にも感情はある。けれど動物には、“感情を現実世界に投影するする力”は無いのである。


 よく動物番組で、弱い猿がボス猿にイジメられるという光景がある。
 弱い猿は、その瞬間は悔しがったとしても、その感情を何かに転換する事は出来ない。つまり、悔しさから“筋トレ”という努力を生み出し、ボスになってやろう、という発想(いや、力)は無い。

 いわば――『感情により未来を変える力』――は無い。


 人間にとって『感情は現実世界を変える力』なのだ。
 それは、この架空の物語の中であろうと、我々の住む世界であろうと何も変わらない。
 それを忘れないで欲しい。


 そしてこの物語の上での『魔力』とは、これでありたいと思った。とても強く。

 
 ここからはフィクション。
 けれど、私達にだって無理ではない『魔力』の話……。