美少女戦士 イグニス・ドラグーン・ユイ!

 やめてぇ、という美奈子の叫びと間髪いれずに――

 竜一はユイの肩を抱いた左手に魔力を集中させたのでした。


 ……が、こんな残酷なことがあって良いというのでしょうか。

 少年は自分を慕う少女の肩に、電流を流したのです。100万ボルトを、ゼロ距離で……!

 「きゃあぁぁ!」
 ユイは右半身を痙攣させ、崩れ落ちます。

 「…なんで、どうして…」


 片膝立ちのユイのの頬から涙がこぼれ、コンクリートを湿らしました。


 ――それは、悲しさ…?


 イエス。

 ……いえしかし、“それ”だけではなかったのです。



 「やらなきゃ……」
 この時、ユイの中ではもう一つの“ある決心”が点火されていたのです…!

――その決心とは…――


 少女は肩を押さえ起き上がりました。

 「ユイちゃん!」
 という美奈子の制止を払って、ユイは言いました。


 「だって美奈子さん、だってね、だって“先輩は泣いてたんだよ”? “あの子…泣いてたの” やらなきゃ、助けるんだ、助けなきゃ……」