「駄目だ…。強い!」
遥か遠方のビルから、闘いを監視していたLは戦慄しました。Lは新人なので知りませんでしたが、ともかく最強の中の最強とされてきた『闇竜』が全力を出しても、こうもあっさり一蹴されてしまうなど、思いもしなかったからです。
Lは震える手で、その劣勢を本部に伝えます。本部もモニターで見ているでしょうが、その報告をしない事には、気が変になりそうだったのです。
「本部、無理だ! これ以上やれば深津美奈子は死ぬぞ! 他のドラグーンは!?」
「―――他のドラグーンは!?」
という、悲鳴に似たLの要請が指揮車を満たしました。
そんな事を言われずとも、指揮車のモニターには、もちろん美奈子の劣勢が伝えられます。
「侮ったな南を…」
Zは机を叩きます。
――ハデスとゼウスは兄弟だ
――『竜』の力は互角のはず…。いや、経験豊富な『闇竜』の方が……
――しかし、何故だ…!
「ええ…! 15歳の多感は、感情を食べる『竜』にとっての力を圧倒的な差にしたのでしょう…」
裕は頷きました。
「もう誰でもいい、他に能力者は!?」
課長は半ば狂乱して言いました。
「力は弱いですが、『狩竜』の少年がいます!」
と、K。キーボードを叩き、少年のプロフィールを示します。
「駄目だ!『満月女神のブローチ』は静岡の美術館!」
課長は、遠くの二人にも聞こえる歯軋りをしました。
「……間に合わない!」
裕もそれには、何もいえませんでした。
ただ三人はモニターを見つめるしかありません…。
灰塵が落ち着くと、モニターはやっと『闇竜』と美奈子が姿を写しました。
『闇竜』は牙を剥き、身を低くしています。コウモリのような『雷竜』とは対象的な高貴なるライオンの姿です。
――まだ、いける?
闇竜のそんな姿をみた、三人はそう思いました。しかし次の瞬間…!
遥か遠方のビルから、闘いを監視していたLは戦慄しました。Lは新人なので知りませんでしたが、ともかく最強の中の最強とされてきた『闇竜』が全力を出しても、こうもあっさり一蹴されてしまうなど、思いもしなかったからです。
Lは震える手で、その劣勢を本部に伝えます。本部もモニターで見ているでしょうが、その報告をしない事には、気が変になりそうだったのです。
「本部、無理だ! これ以上やれば深津美奈子は死ぬぞ! 他のドラグーンは!?」
「―――他のドラグーンは!?」
という、悲鳴に似たLの要請が指揮車を満たしました。
そんな事を言われずとも、指揮車のモニターには、もちろん美奈子の劣勢が伝えられます。
「侮ったな南を…」
Zは机を叩きます。
――ハデスとゼウスは兄弟だ
――『竜』の力は互角のはず…。いや、経験豊富な『闇竜』の方が……
――しかし、何故だ…!
「ええ…! 15歳の多感は、感情を食べる『竜』にとっての力を圧倒的な差にしたのでしょう…」
裕は頷きました。
「もう誰でもいい、他に能力者は!?」
課長は半ば狂乱して言いました。
「力は弱いですが、『狩竜』の少年がいます!」
と、K。キーボードを叩き、少年のプロフィールを示します。
「駄目だ!『満月女神のブローチ』は静岡の美術館!」
課長は、遠くの二人にも聞こえる歯軋りをしました。
「……間に合わない!」
裕もそれには、何もいえませんでした。
ただ三人はモニターを見つめるしかありません…。
灰塵が落ち着くと、モニターはやっと『闇竜』と美奈子が姿を写しました。
『闇竜』は牙を剥き、身を低くしています。コウモリのような『雷竜』とは対象的な高貴なるライオンの姿です。
――まだ、いける?
闇竜のそんな姿をみた、三人はそう思いました。しかし次の瞬間…!


