美少女戦士 イグニス・ドラグーン・ユイ!

 ボロボロにされた女性、崩れた本棚、爪あとを残す壁、その他の乱暴の数々…。
 もしかしたら、ユイの視線はそれらの呵責を含んだ、厳しいものになっていたのかもしれません。
 
 だからこそ哀れな少年の心を代弁せし『光竜』は
 【ち、違う、僕じゃない。僕のせいじゃない!】
 と悶えるのでした。

 『光竜』のその姿は、ユイの中から記憶の断片を引き揚げます。

 そのデジャブは直感的なものでしかありませんでしたが、それはユイの内に在る記憶でした。

 「アナタは…?」
  彼女もまた今の達也のように『炎竜』によって実父を殺めてしまっていたからこそ、それはデジャブだったのでしょう。