【…限界だ】
いつも泰然とする『闇竜』も焦燥を滲ませます。
【もっと感情を入力しろ!】
しかし美奈子は聞き入れません。
『光竜』の口元に光が収束し、彼女に吹き放たれても美奈子は最小限の『闇竜』しか出現させませんでした。
それではさすがの冥王ハデスを冠する『闇竜』でも防ぎきれません。
「きゃぁああ」
という彼女の悲痛が、殆どの本棚が倒れ、殺伐としてしまった図書館のホールに響きます。
「…まだ、見つからないの?達也くんは…」
本の山に四つん這いになった美奈子は、頼みの斥候兵に訊ねます。
『光竜』ではなく、本体さえ見つけられれば…と。
しかし、斥候を任されたケルベロスの子犬は、場に似合わない可愛らしさでブンブンと首を振ります。
「まったく。 諦めないで、もっとよく探して……」
いつも泰然とする『闇竜』も焦燥を滲ませます。
【もっと感情を入力しろ!】
しかし美奈子は聞き入れません。
『光竜』の口元に光が収束し、彼女に吹き放たれても美奈子は最小限の『闇竜』しか出現させませんでした。
それではさすがの冥王ハデスを冠する『闇竜』でも防ぎきれません。
「きゃぁああ」
という彼女の悲痛が、殆どの本棚が倒れ、殺伐としてしまった図書館のホールに響きます。
「…まだ、見つからないの?達也くんは…」
本の山に四つん這いになった美奈子は、頼みの斥候兵に訊ねます。
『光竜』ではなく、本体さえ見つけられれば…と。
しかし、斥候を任されたケルベロスの子犬は、場に似合わない可愛らしさでブンブンと首を振ります。
「まったく。 諦めないで、もっとよく探して……」


