美少女戦士 イグニス・ドラグーン・ユイ!

 『彼はもちろん、愛して貰いたかったのです』

 『けれど、それ以上に、愛したかったのです』


 アイ・ラブ・ユーが言えないという恐ろしさに、ユイは激しく共鳴しました。そして同時に、自分の中に封印された記憶がある事にも気付いたのです。
 

「『けれど、それ以上に愛したい』…あれ?」


 ユイは頭を抱えたい衝動に駆られますが、それを振り切り健気にも走る事を止めません。
 
 (いま止まってはだめだ)
 ユイは懸命に腕を振り続けました。


 しかしその一方で、
 『愛される事はもちろん足りない。でもあの娘は人を愛したいのよ』
 という、心に埋没した台詞が浮上して来るのも分かりました。
 

 しかもその台詞の声は麻衣によるものでした。