美少女戦士 イグニス・ドラグーン・ユイ!

 しかし彼の名演技は結局は無駄でした。

 というのも、Lが頭を掻きながら退散しようとするその刹那、
 
 麻衣は
 「裕の同僚の方ですね?」
 と、彼の背中に言ったのです…!

 
 「……ええ」
 長い沈黙のあと、Lは言いました。観念するしかありませんでした。
 「ユイさんの監視を命ぜられました」
 


 「…という事は…!?」
 麻衣はそう訊ねる一方で、全てを確信していました。
 

 「ええ、再発したんです。ドラグーンに」
 Lは結局最後まで、この美しい女性の顔を見る事はできませんでした。
 彼は背中を向けたまま告知を続けます。

 そうです、告知。病院で行われる、運命の告知です。

 「今日の夕方です。 そして…今、どこかへ消えてしまった」
 
 「俺は探しに行きます。他のドラグーンに出会わないように…! 本当に申しわけありません」


 麻衣は何も返事を返しません。


 Lはついにその無言に耐え切れなくなり、そのまま駆け出しました。