美少女戦士 イグニス・ドラグーン・ユイ!

 「Lだって? なんだい?」

 「知りません」
 Kは超長距離用にカスタムされたトランシーバーを裕に投げました。
 「ユイちゃんが目覚めたとかじゃないですか?」


 「そうかな…」
 一瞬、微笑んでしまった自分に、裕は苦笑しました。
 「…でも、俺は“もう一人の娘”を闘わせているんだ。素直に喜べない」
 

 裕はトランシーバーをキャッチして、指揮車の陰に回りました。
 頭では咎を感じつつも、娘の復調の報告を聞くにあたり、本棚が倒壊したり、魔法同士がぶつかったりする衝撃音から、無意識に距離を置こうとしていたのかもしれません。

 「なんだ?」


 トランシーバーからはユイの監視役に駆り出された新米刑事Lの声が流れます。
 「先輩、申し訳あ――」