美少女戦士 イグニス・ドラグーン・ユイ!

 ――――
 ――…

 【それで…】
 と、闇竜は言いました。
 【その迷子が、ここに入るというワケか?】
 
 
 物語は進んで、現在の午後11時です。


 「そう。迷子のドラグーンとその混沌の『光竜』が。美幸ちゃんの第六感が正しければね」

 【フム……】
 闇竜は美奈子に尋ねます。
 【しかし何故、図書館なのだろう】
 
 
 「多分、その子が唯一連れて行って貰った夢の国だったんじゃないかしら?」
 

 【夢の国…】
 闇竜はハングル語でも聞いたように、繰り返しました。
 

 「そう、夢の国」
 美奈子は、自分の事のように断言しました。
 「八課の調べだと、その子は五歳で父親と二人暮し。とても酷い生活環境で、父親は酒びたりで暴力を振るっていたそうよ」


 闇竜はその事に関して何も言いませんでした。美奈子の過去も似たようなものだと知っていたからです。