美少女戦士 イグニス・ドラグーン・ユイ!

 「…でも、“ユイは人を助ける為に竜を使った”んです。
 分かりますか?
 だから私はもう怖くない。

 そしてそれが今、私には“全て”に思えるんです。

 人が……
 人が、竜が滅びても尚、
 人が“生きていても良いという証明”に思えるんです」


 「善意が?」


 「人を思いやる心が。
 それだけが、唯一“本当に竜を蘇らせる力”であるように思えるのです」
 

 長い溜息の後、

 「…そうね…」
 と、美奈子は賛同してみせました。


 その沈黙の間、料理が運ばれて来ましたが、三人は手を伸ばす事はしませんでした。


 代わりに、美幸さんは三人の真ん中に置かれた『冥王の耳飾り』に手を伸ばしました。

 「私にも、中途半端な能力ではなく、ちゃんと竜が備わっていれば、美奈子さんに頼る必要はなかったのですが…。
 
 許してください。

 これから、とてもエゴな話をします」