美少女戦士 イグニス・ドラグーン・ユイ!

 「…ねぇ、中島美幸さん」
 暫しの沈黙の後、美奈子は深いため息を吐きました。

 「さっきからなんなの、一体? 言おうとしてる事が、ちっとも分からないのだけれど」


 「…え、本当に? 本当に“何も感じない”のですか?」
 美幸さんは戸惑い、答えを求めて裕の顔を覗き込みました。


 「いや、違うんだよ。美奈子の“闇竜”は…」

 ここで裕は顔を近づけ、声を潜めます。
 「国連のカテゴライズで言えば 『デーモンⅢ』型…。単騎決闘タイプなんだ。もっともレベル3だから最強クラスではあるけど…」

 「…だからなんです?」
 美幸さんはその説明だけでは納得がいきませんでした。


 「つまり…」
 と、美奈子が説明を引き継ぎます。
 「私は闘う事以外は一切介さないという事よ」


 「だから、美幸ちゃん」
 裕が加えます。
 「美奈子には、君のように“他の竜の気配”を察知する能力は無いんだよ」


――“他の竜の気配”―!!