不機嫌な果実



薪釜で焼かれたピッツァは、もちもちとしていて、チーズとトマトだけなのに奥深い味がする。


リゾットは、チーズがたっぷり入っていて、こってりとした美味。


特に気に入ったのが、鯛の海藻包み。


オリーブ油の香りと磯の香りに包まれ、鯛本来の味が際立つ。


「あー、美味しかった!お腹いっぱいだわ。ご馳走様」


並べられた料理を見たときは、こんなに食べられるかしら?と思ったけど、見事に完食。


舌だけでなく、目でも楽しませてもらった。


食後に、マチェドニア(フルーツのワインシロップ漬け)を取り分け、コーヒーを頂くと、今夜この店に連れてきてもらったことを麻紀は感謝した。


「今日はありがとう」


小菅は満足そうに微笑んだ。