不機嫌な果実



そんなことを漠然と思い、麻紀は苦笑した。 


最近、麻紀はこのようなネガティブな考えに捕らわれることが多かった。 


相澤との別れから、自分の人生の先が見えてしまったような気がして、虚しい気分になるのだ。 


プロジェクトも成功し、仕事ではある程度の地位を確立した。


でも……と思う。


このまま仕事に生きる人生など、楽しいのだろうか。


「女」としての価値が失われていくようで、気持ちが萎んでいく。


このままでは、小菅の言うように“化石”になってしまうのではないか……。


グラスに揺れる赤い液体を見つめながら、麻紀はそんなことを思った。